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金先物取引の実践

例えば、2008年の7月または8月上旬〜中旬に金先物の取引をしていると仮定します。
この時期に取引される金先物の限月は、2008年8月限、10月限、12月限、2009年2月限、4月限、6月限の6種類となります。
限月とは、実際に金の受け渡しが行われる月のことで、月末の平日に設定されており、週末や祝日に当たった場合は繰り上げます。
そして、先物の取引が行われるのは、受渡日の4営業日前までとなっています。

今あなたは、先物取引口座に100万円の証拠金を振り込み、金の2009年6月限を1枚買ったとします。
東京工業品取引所における金の先物価格は1グラム単位で記載されていますが、先物のコントラクト(建玉と言います)は1キロ単位ですので、例えば3,200円で購入したとすれば、320万円分のコントラクトになります。
この例ですと、2009年6月末日に、金1キロを320万円で購入する権利および義務を手にしたことになります。
(先物取引業者によっては、金100グラム単位での「ミニ取引」も可能です)

さて、この後あなたは、2009年6月末日の4営業日前まで、このコントラクトを自由に差金決済できます。
例えば、金価格が3500円に上昇したときに売れば、30万円の利益となり(売買手数料を除く、以下同様)、証拠金は130万円に増えます。
反対に、金価格が3000円に下落したときに売れば、20万円の損失となり、証拠金は80万円に目減りします。
もし金価格が暴落して2200円となれば、100万円の損失で証拠金がなくなってしまいますから、そうなる前に更なる証拠金の追加が求められるでしょうし、それが出来なければ強制決済されてしまいます。

また、このコントラクトを差金決済せず、2009年6月末に320万円を支払って金1キロを購入すること(現受け)も可能です。
その時点で金価格が1キロ400万円になっていたとしても、あなたは320万円を支払って金1キロを購入できますし、逆に250万円に下がっていたとしても、320万円支払わなければなりません。
もし儲けが出ていた場合は、差金決済すれば利益とみなされて申告課税の対象となりますが、現物を購入してしまえば得も損もしませんから、税金繰り延べの効果があります。
逆に損をしていた場合は、差金決済して損失を確定させたほうがよいでしょう。

金の先物取引価格には消費税が含まれていないので、実際の金の店頭小売価格とは異なります。
したがって、先物取引を利用して金の現物を購入するには、別途消費税や手数料が必要になります(消費税は受渡月の金の実勢価格から算出されます)。

金の先物価格は売買差(スプレッド)が1円しかなく、1キロ単位でも1000円の売買価格差しかありません。
一般の小売店での金の売買価格差は2%程度ありますので、1キロ300万円とすれば6万円にもなります。
先物の現受けを利用して1キロの金を購入すれば、1万円程度の手数料がかかることを考えても、小売店で購入するのに比べて2万円程度節約できることになります。
ただし、先物を利用した金の受け渡しは2ヶ月に一度しかないので、好きなときにすぐ手に入れるというわけには行きません。
また、受け渡し日までに価格が下落すれば、結局損をする可能性もあるので、慎重に利用してください。



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